この言葉は、なんとなく科学っぽい気がするな。でも、何だろ、「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性」は、なんかの状態を表してるのかな? んー、わからない……。素直にいいます、初耳です。
で、それって、何?
正解は、こんな状態のことをいうそうです。
これは、雲に見られるケルビン・ヘルムホルツ不安定性。それにしてもこんな雲、実際には見たことはないなー。
ケルビン・ヘルムホルツ不安定性とは、流体力学上の概念。雲に限らず、密度の異なる流体が層となっている状態で、互いの層が異なる速度で水平運動するときに発生する流体の不安定な状態だという。
流体の層が異なる速度で接している場合、その境界領域において速度シア層が形成されることが起因だという。やばい、また知らない言葉が出てきた。速度シア層って、何?
つまり、速度シアとはケルビン・ヘルムホルツ不安定性を作り出している境界領域の状態のこと。速度シアは、擾乱(じょうらん)に対して不安定であることが昔からわかっていたという。
やばい、さらに知らない単語が出てきた。擾乱って何?
言葉の意味としては、入り乱れること、乱れさわぐことだそうな。気象学では、大気の定常状態からの乱れをいう。地球の自転などの影響で起きている大気圏での対流もそうで、時間と共に変化していく小さな乱れが常に発生している大気の乱れる現象だという。
高気圧、低気圧、竜巻、積乱雲など、大気中に現れてしばらく持続し、やがて消えていく現象が擾乱である。速度シアは、それに対しての不安定性のことだそうだ。
雲以外では、たとえば塩分濃度の高い海水と川の淡水が重なる汽水領域の水の中も、ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の状態になっている。もやもや~って見えていることってありますよね。
ふー、なんだか奥が深い話だったな、ケルビン・ヘルムホルツ不安定性。
ちなみにその名は、流体力学の発展に貢献したウィリアム・トムソン(ケルビン卿)とヘルマン・フォン・ヘルムホルツのふたりの名前にちなんでいるそうな。
うはっ、流体力学には、ほかに「レイリー・テイラー不安定性」というのもあるようだ……。
ケルビン・ヘルムホルツ不安定性を調べていて、見つけちゃったから、書きますね。
レイリー・テイラー不安定性は、ケルビン・ヘルムホルツ不安定性と同じように密度の異なる流体の話ですが、こちらは流体の界面において、重力などで密度の大きい流体から密度の小さい流体に力が働き、界面で接している部分の小さな凹凸から擾乱が発生し、成長することによって流体の運動が不安定化する現象のことだそうです。
流体力学って、すごい。難しい単語がたくさん出てくる……。
最後は、夕日に染まるケルビン・ヘルムホルツ不安定性の写真でお別れです。